神奈川民医連

第17回 神奈川民医連 看護介護活動研究交流集会 あいさつ

第17回 神奈川民医連 看護介護活動研究交流集会へのご挨拶

あいさつ

神奈川県民主医療機関連合会 会長
野末浩之

神奈川民医連に働く看護・介護職の皆さん。第17回 看護・介護活動交流集会の開催、おめでとうございます。この4年間、新型コロナウイルス感染症とのたたかいが続いてきました。まだ感染者は発生し引き続き注意は必要ですが、ようやく完全な対面形式での開催が可能となりました。当日は予防策を十分に講じて参加され、安全な環境で集会が成功することを期待しています。
本集会のメインテーマは「すべての人にやさしい社会を目指して」と伺いました。健康な人、病める人、障碍を持つ人、老いてゆく人、そして臨終の床にある人…皆さんが思う「すべてのひとにやさしい社会」とはどのようなものでしょうか?この言葉から私は、「持続可能な開発のための目標」(以下SDGs)にある「誰一人取り残さない」という文言を思い起こします。先進国・途上国の別なく、すべての人の人権が尊重されることがSDGsの目標とされています。皆さんが日ごろ行っておられる看護・介護の活動は、まさにこうしたゴールを目指す何よりの実践なのではないでしょうか。近隣国家との信頼関係構築には背を向け、軍事費の大幅増額と南西諸島の軍事要塞化、そして社会保障費の圧縮に突き進む現政権のもと、サブテーマである「自分と向き合い笑顔でケアを実践する」皆さんの存在こそが、我が国の希望の光です。
全体会講師には大本山「須磨寺」寺務長である小池陽人さんをお迎えし、お話を伺います。2017年よりYouTubeで法話の動画配信「須磨寺小池陽人の随想録」等を始められ、仏教の教えをわたしたちに分かりやすく伝えて下さっています。小池さんはその著書「しんどい心の処方箋」の中で「曼荼羅(密教の教えである仏様の世界観を絵に表したもの)について「多様性」の教え、そして「平等」の教えを意味していると述べておられます。…この世の中に、ひとりとして同じ人間はいません。わたしたち一人ひとりは「違っていて当たり前」、その違いを個性ととらえ、皆、平等に生きる意味が与えられています。つまり、「皆、同じように認められる存在である」のです…。皆さんが毎日患者さん・利用者さんと関わる際の姿勢と、相通ずることが多いのではないでしょうか。
当日は多数の発表が予定されています、活発な質疑が交わされることでしょう。文化企画では東邦新悟さんのマジックが楽しみです。最後になりましたが、奥山洋子委員長はじめ実行委員の皆様、当日要員を務められる皆様、そして参加されるすべての皆様に感謝の気持ちをお伝えして、あいさつ文の結びといたします。

実行委員長 奥山 洋子

神奈川民医連第17回看護・介護活動研究交流集会にご参加いただきありがとうございます。この集会は神奈川民医連内で働く看護職介護職のみなさまが、本当に忙しい日常業務の中において患者様利用者様の生活に寄り添った活動を、多くの職員に発信し共有し、さらに発展させていくため、2年に一度開催されています。
昨年9月から13名の実行委員会で内容を検討し、「すべての人にやさしい社会を目指して ~自分と向き合い笑顔でケアを実践しよう~ 」をメインテーマとして準備を進めてまいりました。
本日の記念講演にはすべての人にやさしい神戸須磨時の小池陽人(こいけようにん)氏を、文化企画には笑顔になれるプロマジシャンの東邦新悟(とうほうしんご)氏をお呼びしています。集会を大いに盛り上げていただけること、とても楽しみにしております。
本日は応募のあった54演題の午後の分散会での発表に加え、午前中に指定報告2演題を全体会で発表していただきます。全体会と午後の分散会でも活発なご討議を期待しております。
さて、今年は元旦の団らんを、能登半島地震が襲い多くの死傷者をうみ、私たちの仲間である石川民医連の職員も甚大な被害を受けました。神奈川民医連からは、人的支援や義援金等での支援を行いました。看護師支援においては、4月末に城北病院(笑って死ねる病院)へ神奈川医療事業協同組合から現地の看護支援をいただきました。この場をお借りして改めて感謝いたします。ありがとうございました。日常は、目の前の患者様利用者様により良い看護介護が提供できることが一番ですが、民医連はひとつ、被災地に対しては今後も地道な支援を続ける必要があると思います。
世の中に目を向ければ、悲しく腹立たしいニュースもたくさんあり、自分たちに何ができるんだろうと無力を感じる時もあります。しかし、ひとりの力は小さくても、それぞれが手を結びあって団結し、正しいことにむかって結集すれば大きな力になり実現できることがあるはずです。本日は小さな力が大きく結集した一日であることを実感します。
多くの事例を検討交流し、患者様利用者様のために大いに頑張っていることを共有したたえ合え、ご自身や日常の活動を肯定できる「自分たちの仕事って素晴らしい、自分て素晴らしい」と思えるご褒美の一日にしていただきたいことをお伝えし、ごあいさつとさせていただきます。