【会長声明】個人番号カードと健康保険証の一体化 健康保険証の廃止に反対する
2022.10.17
【声明】
個人番号カードと健康保険証の一体化
健康保険証の廃止に反対する
2022年10月17日
神奈川県民主医療機関連合会
会長 野末 浩之
10月13日、河野太郎デジタル相は、現行の健康保険証を2024年秋に廃止して、「マイナ保険証」に切り替え、個人番号カードと健康保険証を一体化すると発表しました。
行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号利用等に関する法律(個人番号法)第17条の1項では、「市町村長は、政令で定めるところにより、当該市町村が備える住民基本台帳に記録されている者に対し、その者の申請により、その者に関わる個人番号カードを交付するものとする」と任意取得の原則を定めています。健康保険証を廃止し、その代わりに個人番号カードを利用した「マイナ保険証」にするということは、事実上の強制であり、法令違反です。
この間、政府は「マイナポイント事業」を展開、市町村ごとに取得率を公表し、普及状況に応じて地方交付税や交付金の配分額に差をつける方針も示し、個人番号カードの取得を進めて来ました。しかし、交付率は全国民の49%に過ぎません。「マイナ保険証」を活用するためには、医療機関の側もカードリーダーや専用のパソコンなどシステム構築をしなければなりませんが、対応が出来ている医療機関は全体の2割と言われています。専用のカードリーダーを設置した医療機関や薬局は3割にとどまっています。
政府は、来年3月末までにほぼすべての国民に個人番号カードを普及するという目標を定めていますが、進まないのは、国民の個人情報をすべて紐づけして集積するやり方に個人情報漏洩の心配やプライバシー侵害に繋がる危険があるからです。また、何よりも「現行の保険証でなぜ駄目のか」「マイナ保険証のメリットが感じられない」という声もあります。
河野氏は、記者会見でこうした心配や不安の声に何一つ答えることなく、「ご理解いただける」「多くの人は(個人番号カード)利用していただける」と答えるのみでした。
河野氏の記者会見を受けて、さまざまな団体から反対の声が上がっています。私たち神奈川県民主医療機関連合会も、「個人番号カードと健康保険証の一体化」「健康保険証の廃止」に反対を表明するものです。
以上