75歳以上の医療費2割化 アンケート結果の概要を記者発表
2021.03.30
神奈川民医連は3月26日、県庁の県政記者クラブにて「75歳以上高齢者の医療費2割化に関するアンケート結果の概要」について記者発表を行いました。これは日本高齢期運動連絡会が作成したアンケートを各法人にご協力いただき神奈川民医連内での回答結果を集計したものです。
アンケート結果の概要(抜粋)
1割負担から2割負担に変わったら「通院回数を減らす」27件(15%)、「受診科の数を減らす」15件(8%)、「薬の飲み方を自分で調整する」10件(5%)など、合計すると52件(28%)の方が何らかの受診抑制を考えていることが分かりました。
また「今まで通り受診する」と答えた方は128件(71%)あり病気の治療は止められないという高齢者の思いが表れています。しかし、そう答えた方でも、自由記述欄で「光熱費の節約と食事回数を減らすように心がけなければ」と回答しています。このことから自己負担が2割化する影響は医療費のみに留まらず高齢者の生活にも大きく影響することを物語っています。それは、年金のみで生活している方が180件(84%)、年金+仕事の方が24件(11%)いることでも生活に影響することが想定できます。
自由記述欄には、「年金だけでは足りなく、預金を切り崩している。それも限界にきている」など厳しい生活実態が切々と述べられています。医療費負担の2割化で高齢者の生活破壊が進行するのではと危惧するところです。
厚労省の発表では全国で370万人が2割負担の対象になります。神奈川県で見ると対象は33万人になり、被保険者に占める割合は28.4%と全国で一番高い割合を示しました。また最近、発表された「神奈川県後期高齢者医療広域連合による推計値(令和3年1月22日時点)」によると2割負担の対象者は34.7万人で、被保険者に占める割合は29.8%と高いことが判明しています。
今回のアンケート結果に現れた75歳以上高齢者の不安に「自助・共助」では応えることはできません。75歳以上医療費自己負担2割化反対署名、宣伝・要請行動、など引き続きご協力をよろしくお願いいたします。